Fox village by aki310

For the future of someone, somewhere

HackFes 2026 ボランティアスタッフ体験談+講義のメモ

2026年7月18日に開催された「Hack Fes. 2026」に、ボランティアスタッフとして参加してきました。

本記事は、体験記+講義のメモです。

hackfes2026.hacker.or.jp

HackFesとは

以下、公式引用

「Hack Fes. (ハック・フェス)」は、2023年から開始された、セキュリティ・エンジニアを対象にした対面開催限定のイベントです。専門知識を学んだり、スキルを磨いたりする場であるとともに、参加者同士が直接交流できる機会を提供することを目的としています。Fes.(フェスティバル)というイベント名を選んだのは、堅苦しいお勉強のイベントではなく、多くの人が集まることで生まれる「ワクワク感」や「楽しさ」を共有し、参加者とともに「お祭り」を作り上げていくことを目指しているからです。

デジタル化の急速な進展に伴い、サイバー攻撃の脅威は企業や社会基盤まで広がっており、防衛能力の強化は喫緊の課題となっています。昨年、サイバー対処能力強化法及び同整備法が成立・公布され、能動的サイバー防衛の実現に向けた検討が本格化しました。

このような状況下で、サイバー防衛は専門家だけの課題ではなく、組織のセキュリティ担当者やアプリケーション開発者など、幅広い人材にとって重要な知識領域となっています。
そこで、HackFes.2026では、セキュリティ研究者やエンジアはもとより、学術界や防衛関係者など、さまざまな分野の専門家に登壇いただき、攻防両面の知見を共有していただきます。

一般社団法人「日本ハッカー協会」が運営するセキュリティ系イベントです。

理事にはセキュリティ・キャンプ、SecHack365、SECCONなど、日本のセキュリティ人材育成やコミュニティ活動に長年関わってきた方々が名を連ねています。

日本ハッカー協会のHP

2023年から毎年開催されており、

今回のHack Fes. 2026のテーマは、「ハッカーとサイバー防衛」

セキュリティ研究者やエンジニアだけでなく、学術界、防衛関係者、警察、法律など、さまざまな分野の専門家が登壇しました。

朝10時から17時30分まで、3つの講演トラックとハンズオンが並行して開催されており、講演・スポンサーセッション25枠+ハンズオン3枠=合計28セッションありました。他にも企業ブースや技術本交換所、求人ボードもありました。

ボランティアスタッフに応募した経緯

過去にSechack365というセキュリティイノベーターを育成するハッカソンに参加し、SNSでセキュリティ界隈と繋がっていました。数年前から当時の知人/フォロワーさんが本イベントに参加していて知っており関心を持っていました。

sechack365.nict.go.jp

そんな中、5月ごろにTwitter(X)でスタッフ募集の投稿を見て応募しました。

参加費4000円+ネットワーキングパーティ代7000円が無料になる太っ腹で、交通費やお弁当代も出る、これは申し込むしかない。。!

また、真面目な動機を話すと

元々勉強会とかSWイベント/カンファレンスの運営を何度かやっていて、スタッフとして参加する方が色々な人と繋がれて貴重な話を聞けると実感していたのもあります。

(↓去年の別イベントでのスタッフ活動例)

akisatooo.hatenablog.com

「自分を育ててくれたSWコミュニティに対し、運営側に回り還元していきたい」という動機に合わせて過去の活動実績を書いて、かつ今回は友人や所属コミュニティが発表側にいて是非聞きたい、という旨を応募フォームに書いて提出し、採用されました。

(ちなみに、2025年もボランティアスタッフ応募したのですがその時は落選でした。笑

今年は2~3倍ほどの倍率だったみたいです。

 

当日の仕事

朝8時に秋葉原UDXに集合し、オリエンテーション/Tシャツ着替え等をしました。

その後、6つのグループに分かれ、「受付・会場設営・グッズ配布・電源設置・案内・整理券配布・タイムキーパー」などを行いました。

講演が始まった後は(チーム内で話し合った上で)比較的自由に行動させてもらい、興味のある講演に参加できました。

参加した講演

イラン戦争に学ぶサイバー空間での攻防の現状と今後:齋藤 孝道(明治大学 教授)

2026年2月、米国・イスラエル連合による対イラン軍事行動が開始されました。本件では、作戦に先立ち、イラン国内のネットワーク機器や民生デバイスへの侵害が行われていた可能性が指摘されており、これがその後の精密打撃の有効性を高めたとの分析もあります。さらに、作戦初動において指導部への集中的な打撃が実施されたとされており、サイバー空間での事前準備がキネティックな軍事行動と高度に連動していた点が注目されます。

また、火力攻撃と並行して、連合側による情報発信・認知領域での働きかけが観測されており、戦場は物理空間にとどまらず、情報空間においても同時展開されていたと考えられます。

一方で、戦局の進展に伴い、イラン側はサイバー攻撃や影響工作などの非対称的手段による対抗を強めており、戦闘の重心が徐々にサイバー・情報領域へとシフトしている様相も見られます。

本講演では、本事例をケーススタディとして、現代戦におけるサイバーセキュリティおよび情報戦の位置づけを、ISR(情報収集)、指揮統制への介入、キネティック作戦支援といった観点から整理するとともに、民生インフラやデジタル基盤が戦略的リスクとなる構造について、技術者の視点から考察します。特に、サイバー空間が主戦場そのものではないとしても、作戦の成否を左右する前提条件や環境を形成する領域として機能している可能性について検討します。

イラン政府には国民監視システムがある。そこをサイバー攻撃し、要人の所在地をおおよそ事前に把握しておくことで、1分での作戦遂行を可能にした 。

news.tv-asahi.co.jp

米軍は数年前から数万機のドローンを偵察・攻撃に使っており、集めた映像データ解析に19人の分析官が必要だったが、LLMの登場によりキルチェーン(意思決定速度)がより加速している 。

不正アクセスにとどまらず、状況認識から意思決定までAIが実質。基盤モデルでは勝てず、世界モデルが必要。Delta、Prismaなどドローン統制プラットフォームなど。

生成AIより低スキル人材が戦力化、サイバー傭兵との分業化が進んでいる。
物理的攻撃だけでなく、SNS投稿により思考をハックし意思決定を遅らせる等で政治的目標を達成させる。
(例 2016年米大統領選挙プロジェクト・ラフタ)、偽動画によるAIスロップ、敵対国における確率論的テロリズム行動
親イランSNS投稿(開戦直後59403件/24h

saitolab.org

 

量子技術による暗号への脅威と量子耐性をもつ暗号システムの可能性:富田 章久(NICT:国立研究開発法人 情報通信研究機構 主幹研究員)

量子コンピュータの進歩により公開鍵暗号が効率的に解かれる可能性が従来から指摘されてきた。今年3月に相次いで発表されたリポートでは、楕円関数暗号解読に必要な物理量子ビット数が1万にまで低減する可能性やビットコインの平均ブロック生成時間内に秘密鍵が解読される見積もりが示され、量子コンピュータにより暗号が解かれる日(Q-Day)が現実味を帯びてきている。本講演では量子による計算加速の原理から始めて、量子コンピュータ開発の見通しをできる限り公平に解説する。さらに、計算量の困難性に依存しない安全な鍵配布(量子暗号配布)を紹介し、耐量子暗号と組み合わせた暗号システムについても議論したい。

NISTはQ-Day(実用的な量子コンピュータの登場)を2030年ごろと想定。Googleは2029年までに実用的で誤り訂正された量子コンピュータ、PQC移行を目標としてロードマップを公開。

人工衛星によるQKDネットワーク
中国:Micius
欧州:Eagle-1とEuroQCI

量子暗号は実用段階にある。
署名など、対象が不定な応用は不得意。コストは高いので適用分野を決める。
PQC-QKDのハイブリッドシステムは検討の価値あり。

スライド後日公開あり!

宇宙システムの攻防:事例分析とシミュレーションで学ぶ宇宙サイバーセキュリティ
鳥海 幸一(@Consejo_dei_X)

人工衛星、地上局、GNSS/GPSなどの宇宙システムは、通信・航法・観測を支える社会基盤として不可欠なインフラです。しかし、従来のITインフラとは異なる制約を抱え、近年はサイバー攻撃の新たな標的となりつつあります。本講演では、まず衛星本体・通信・地上局の基礎について解説し、OSINTによる情報収集リソースや最新の宇宙サイバーセキュリティ動向を紹介します。続いて、ジャミング、GNSS/GPSスプーフィング、衛星通信リンクの傍受、地上局への侵入など、過去に報告されたインシデント事例を分析することで宇宙システムに特有な脅威モデルを明らかにします。さらに、現在提案されているサイバー防御技術を取り上げ、宇宙システムの安全を守るために何ができるかを考察します。

4月~6月に開催した「航空宇宙サイバーセキュリティ」12時間分の講義を、50分で抜粋して講演。

aerospace.connpass.com

「空と宇宙のサイバーセキュリティー入門」 サポートページ

github.com


ここに講義中に紹介したリンクとか講義内容も(?)公開予定

人工衛星は、地上局と無線通信(リンク)ができてこそ意味がある。
衛星バスは6つのコンポーネントがあり、どこに攻撃を受けたかで分類する。
(PCS、TC、AD&C、TT&C、C&DH、E&P)
通信プロトコルは大体CCSDS。暗号化されていない通信もある

■重要な軌道
極軌道(低軌道):近い(200~2000km)、遅延小
静止軌道(高軌道):遠い(35700km)、遅延大
→極軌道が通信衛星向き
10㎝四方サイズ以上の人工衛星を全て把握し公開している機関・サイトがある

celestrak.org

宇宙サイバーセキュリティはもろELINT/SIGINT(信号の収集・識別・解析)
IoTセキュリティの問題と似ている
セグメント:宇宙S、通信I、地上G
脆弱なのは通信だが、地上に対してまで攻撃しないと意味がない。
BlackHat(セキュリティ学会)2024で、人工衛星を乗っ取るハンズオン講義が開催

人工衛星との通信は半分くらいしか暗号化されていない。地上から人工衛星からの通信を乗っ取るジャミング攻撃は、今でも紛争地域(中東など)で行われている。
運用中の衛星は約16000、スターリンクが10000。
今年のDEFCON34で航空宇宙CTFあり、オンラインでも参加可能。

宇宙サイバーセキュリティはブルーオーシャン!ぜひみんな参加してね。
(宇宙業界の人と、セキュリティ業界の人が、お互いがまだわかりかけていない。

新卒3年目、やさしい地獄に立つ――セキュリティ診断サバイバル:<スポンサー・セッション> ユービーセキュア

AWSのrootユーザーにMFAがない、Azureのグローバル管理者が30人いる――こうした問題に、技術的な難しさはほとんどありません。CIS BenchmarksやCIS Controlsを開けば、推奨はシンプルに書いてある。それでも現場では、普通に起きています。
診断初日になってもID/PWが届かない。対象範囲がいつの間にか変わって混乱する。「この脆弱性って直すべきですか?」と聞かれ、「そりゃまあ……」と言葉に詰まる。脆弱性診断・ペネトレーションテストの現場は、技術以上に"運用のやさしい地獄"に満ちています。
問題の根っこにあるのは、技術不足ではなく、"当たり前"が言語化・共有されていないこと。本講演では、新卒3年目の診断員が現場で出会った「あるある」を、ガイドラインの解説も交えながらライトにお届けします。笑えるか、「あるねえ……」と遠い目になるか。診断の裏側を知れば、明日から自社の見え方が少し変わるかもしれません。

高校中退→フリーター(飲食)→IT系専門学校→セキュリティの道へ
実際に経験した”優しい地獄(パンドラの箱)”を3つ紹介
①この脆弱性っていつまでに直すべきですか
→なるはやは前提で、業務の優先度をCVSS(+出来たらEPSS、KEVの組み合わせ)で仕分け
参考:フロンティア AI による脅威変化を踏まえた金融機関等の短期的な対応」に係

る要請について

https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260522-5/01.pdf

②Azureのグローバル管理者が30人います
CISの推奨は2~4人だが、、役職上位者の要求、「念のため」など。
→カスタムロール、PIMで時限付与

learn.microsoft.com

③検証環境に本番データを定期的にレプリケート
コピーが増えるほど攻撃面(守る箇所)も増える。近年も流失事例いくつかあり。
→例外フローも踏まえてルール作成、テストデータ作成、データ監視(仕組み化)

現場運用とルールの隙間に原因があり。セキュリティは技術ではなくルール整備で大体防げる。
ガイドラインが書かれたテキストのまま止まらないように。当たり前を棚卸も。

フェイクニュースの拡散現象とその対抗策:笹原 和俊(東京科学大学 教授)

近年、SNSを介したフェイクニュースの拡散は、社会的分断を助長し、民主主義の根幹を脅かす深刻な課題となっている。本講演では、計算社会科学の観点から、フェイクニュースがなぜ、どのようにネット上で拡散するのかを、具体的事例を交えて明らかにする。さらに、情報拡散ネットワークの分析、社会シミュレーション、オンライン実験といった多様な方法論に基づき、効果的な対策や介入の可能性を検討する。最後に、レジリエントな情報環境の構築に向けた課題と展望を論じる。

※ほかの運営都合で、後半20分ほどのみ参加

SNSでのフェイクニュース対策動画(19秒)により、感情操作を見抜く能力が21%向上。誤情報を見分ける能力は5か月持続。
SYNTHETIQ VISION(フェイク動画を見抜くツール)
XFinch実験(日本人1000人規模の疑似的SNSを作成し、フェイク動画を見抜くツール効果の検証)

検出ツール導入により、フェイク動画の共有は16~21%減少。本物動画の共有は31~36%増加。
ただ、AI判定を過信するケースもあり騙されるケースも。
フェイクニュースは情報生態系の全体を考える必要あり。インフォカリプスへの漸近、嘘つきの配当を防ぎたい。

www.colorlessgreen.info

AI時代のバグハンティング入門 〜AIエージェントと歩むバグハンターへの道:森岡 優太(@scgajge12)

本講座では、バグバウンティを想定したWebアプリケーションを対象に、偵察から脆弱性調査に至る一連の流れをハンズオン形式で学習します。その過程で、ClaudeをはじめとするAIサービスを活用したテクニックも紹介します。特に、これからバグハンターとして活動を始めたい初心者の方に向けて、AI活用を前提とした効果的な始め方や注意点を解説します。
用意するもの:ローカルプロキシツール「Burp Suite or Caido」(必須)、AIサービス「Claudeなど」(任意)。

バグハンティングを行うためのツールやサイトを紹介頂き、ハンズオン形式で報告するところまでを体験。LLM時代、AI自動化スペクトラムは以下の6段階ある。

  1. チャットAI(インプット)
  2. ナレッジ特化(インプット強化)
  3. コーディングAI(コード化)
  4. AI駆動オペレーション(効率化)
  5. 自立型エージェント(自動化)

活躍しているハンターはレベル4か5。

知識ない人も4か5に飛びつき、脆弱性出ない報告が増加している。

→人間による判断と独自性の掛け合わせが勝機。

差別化の源泉:オリジナルなテクニックをAIに組み込めるかが大事。

levtech.jp

zenn.dev

感想

久しぶりにセキュリティ系イベントに参加できてとても知見あり、楽しかったです。

Sechack365時代の同期やトレーナーにも会えましたし、所属していた宇宙サイバーセキュリティの講演ではほぼオフ会になれました。

LLMがCTF(セキュリティコンテスト)で優勝するレベルまで性能が高まった今この時代に、専門家が何をどう考えて行動しているかを肌感覚で知れたのが収穫だったと思います。

また、昔から感じてはいましたが、改めてセキュリティ界隈は温かい人が多いと感じました。元々セキュリティキャンプ、Sechack365など教育事業を10年単位で開催してイベント慣れしているものあると思いますが、「セキュリティ対策で大切なのは人」と考え、繋がりや情報共有を大切にする文化が育っているのが大きいのかなと感じました。

 

今回見たかったけど参加出来なかった講演も沢山あり、もしオンライン公開している資料などあればぜひ教えて下さい~!

また来年も参加したいなあ。

(社会人としてボランティアスタッフ枠を取ってしまうのもアレだなと感じたので、次は会社を説得できるように頑張りたいです。

Tシャツの謎解きとかもありました。

 

Liquid AI Hackathonに参加してきました!(ローカルLLM結構すごい)

Liquid AI Japan主催のハッカソン「Hack the Liquid WAY」に参加してきました!

本イベントは、最先端のローカルLLMであるLFM(Liquid Foundation Model)を使い、ソリューション提案 or LLMモデル改善を行うハッカソンでした。

以下、体験記です。

 

■ハッカソンのリンクページ

luma.com

hackathons.liquid.ai

 

どんなハッカソン?Liquid AIとは

そもそもLiquid AIとは何ぞやという話ですが、MIT CSAIL(MITのコンピュータ科学・AI研究所)発のAIスタートアップです。

Liquid AI設立の背景には、Liquid Neural Networkという研究があります。
これは、少ないパラメータ数で時系列データを扱い、環境変化に適応しやすいニューラルネットワークを目指した研究です。自律ドローンやロボティクスなど、入力が連続的に変化する分野で研究されてきました。

news.mit.edu

その後、Liquid AIは2023年にMIT発スタートアップとして本格的に活動を公開し、2024年にはLiquid Foundation Models、通称LFMを発表しました。

www.liquid.ai

LFMは、ChatGPTのような巨大クラウドLLMとは少し方向性が違い、「小さく、速く、メモリ効率が良く、エッジやオンプレミスでも動かしやすい」ことを強く意識したモデルです。

LFMが少ない計算資源で性能を出す理由の一つは、モデル構造にあります。
一般的なTransformer型LLMでは、入力トークン同士の関係をAttentionで計算します。Attentionは強力ですが、入力が長くなるほど計算量とメモリ使用量が増えやすい構造です。一方、LFM2系ではTransformerだけに依存せず、短い畳み込み、Grouped Query Attention、ゲート構造を組み合わせたハイブリッド構造を採用しています。
すべてをAttentionで処理するのではなく、軽い演算とAttentionを組み合わせることで、計算量とメモリ使用量を抑えています。

他のローカルLLMとの性能比較

https://www.liquid.ai/ja/blog/liquid-foundation-models-v2-our-second-series-of-generative-ai-models より引用

 

2026年にはLFM2.5シリーズも発表され、1.2Bクラスの日本語モデル、Vision-Languageモデル、Audio-Languageモデルなどが公開されています。

www.liquid.ai

今回のハッカソンは、このLFMを使って、日本市場向けのソリューション提案/モデルチューニングを行うイベントでした。

また、以下の豪華なスポンサーがサポートしてくれました。

  • AMD(NPUが使えるRyzen AI PC貸出)
  • Weights & Biases(評価の基盤案内)
  • Hugging Face(モデル公開、学習用に$150 credits)
  • WAY Equity Partners(日本の課題サポート)

参加した経緯

よく一緒にハッカソンへ出ている友人がX(Twitter)経由でこのハッカソンを知ったみたいで、ハッカソンの情報共有してもらい、自分が出るなら出ると言われたので「出よ~!」と誘いました。

元々自分はエッジAIカメラを扱う仕事をしておりCNN系~少しTransformer系は触っているのですが、エッジLLMはほとんど触ったことがなく(gpt-oss系くらい)、エッジAIエンジニアを名乗るからには精度感やエコシステム状況の知見を得ておきたいな、という狙いもありました。

まあ独身に戻ってしまったので、ハッカソン誘われたら予定なければ大体出ます!

スケジュール

応募~開始前

オンラインで参加申請しました。1チーム1~3人とあり、自分+友人+友人の会社同僚の3人でチームを結成し応募しました。

(一応審査があったっぽいですが、最終的に25チーム?、60人ほどの参加者でほぼ通ったのではと思います。)

事前準備として、LFMをローカルで動かしてみて性能やエコシステムの把握を進め、少しアイディアの議論をしました。過去ハッカソン情報を調査して纏めました。

akisatooo.hatenablog.com

前日に参加者はDiscordに招待され、審査やラップアップの案内を受けました。

1日目

1日目のスケジュールは以下でした。

時刻 内容
09:00〜09:30 受付&ウェルカム
09:30〜10:15 オープニングセレモニー、テクニカルキックオフ、ユースケース探索
10:15〜10:30 ネットワーキング&チームビルディング
10:30〜12:30 ハッキング開始
12:30〜13:30 ランチ
13:30〜16:00 ハッキング
15:00〜16:10 Day 1 Wrap-up

午前中は、オープニングと技術説明を聞いたあと、チームでアイディア検討を進めました。ソリューション提案部門とファインチューニング部門のどちらかを選択する形式で、自分たちのチームは(同僚が国産LLMを作っていることもあり)後者を選択しました。

技術よりの部門とはいえ「日本の課題を解決する」(≒Liquid AI社が日本市場に進出するための案を提示する)ことが評価指標になっていたので

  • ローカルで動く意味があるか

  • 小型モデルであることが価値になるか

  • 日本市場向けの課題になっているか

  • デモとして伝わりやすいか

を意識して考える必要がありました。

13:30くらいまでアイディアの議論をしていて、昼食後に以下のように纏めました。

No.

アイデア

セキュリティの必要性

速度の必要性

コスト効率の必要性

チューニングの必要性

面白さ

​収益性

社会課題度

A

ATM

5

3

5

4

4

3

5

B

サイネージ

5

3

2

2

4

4

2

C

寿司AI

(熟練の技を伝える)

2

1

1

5

5

2

1

D

LLM監視

5

4

5

3

4

5

4

E

方言翻訳

5

3

2

5

5

1

5

F

物流トラック監視

5

4

3

2

4

5

その上で、

・せっかく休日を使って参加するので、評価とか抜きに自分たちが興味あり面白いと思うものをやりたい

という共通合意を取り、「勝ちそうな案」「興味のある案」を会話した上で、LLM監視のアイディアにしました。

(Sechack365出身者2名+低レイヤ勢のメンバーだったことも影響したと思います)

理想はルータなどパケットを見てローカルLLMで処理させたい!という入口から始まり、現実的にL2~L3レイヤの処理は難しかったので、

・クラウドLLMにもデータ利用制御やガードレール、エンタープライズ向けの保護機能はあるけれど、クラウドに送信する前に検知したい!

→ローカルでセンシティブ情報を検知したい。クラウド側LLMとの共存/協調が現実的なソリューション!

というテーマにしました。

 

テーマが決まった後はすんなり分担ができ、

・Fさん:モデルのファインチューニング、データセット構築

・Kさん:LFMを動かすプロキシサーバの開発、Ryzen AI PC構築/NPU活用

・自分:プロジェクトマネジメント(スライド、デモ準備、サポート)

という形で進めました。

16時に現場は解散し、各自家で作業を進めました。

寝る前にファインチューニングは始まり、プロキシサーバの開発は一通り終えていました。素晴らしい👏自分はスライドの枠(ビジネス回りの話)を作りました。

 

2日目

2日目は以下のスケジュールでした。

時刻 内容
09:00〜09:30 Welcome Back / ウェルカムバック
09:30〜14:30 Hack + Lunch / ハッキング+ランチ
14:30〜15:00 Submission Deadline / 提出締切
15:00〜18:00 Demo Session(5 mins per team)/ デモセッション(各チーム5分)
18:00〜18:30 Judge by the Human Judges + Vote by Audience / 審査員評価+オーディエンス投票
18:30〜19:00 Awards Ceremony + Closing / アワードセレモニー+クロージング
19:00〜20:00 Networking + Dinner / ネットワーキング+ディナー

チームとしては、朝09:15~09:30に集合し、13:00までは個々で開発しました。

(ファインチューニングするモデルを間違えて再学習したり、NPU動かすのが難しかったり、Ryzen AI PCでClaudeが動かなかったり、少しバタバタ気味でした

その後、以下の提出物を纏めて、提出しました。

・デモ動画

・プレゼン資料

・Github、Hugging Face、Weights &Biases提出用URL作成

 

成果物

「PromptGate」を発表しました!

■まとめ

・Cloud LLMに送信する前のプロンプトを、プロキシサーバ or VScode上のローカルLLMが検閲。ユーザーは普段通りにLLMを使えばOK!

・ ファインチューニングしたら性能が数%→80%ほどに挙がったよ!

以下、代表的なスライドです。

タイトル&Team紹介

サービス&ビジネス面の解説ページ

帝国データバンク2026年の調査によると、日本での生成AI導入は未だ34.5%で発展途上で、14.2%が検討中。41.7%の企業がデータ漏洩を気にしている話をして、システム構成図を紹介しました。

技術解説ページ
  • もともと「LFM2-350M-PII-Extract-JP.」という一世代前のモデルでセンシティブ情報を抽出するモデルはあったのですが、そこにカテゴリを追加した
  • データセットは、OpenPII 1.5M+ner-wikipedia-dataset+Gemmaで自作したものをマージして利用
  • ファインチューニング後に、カテゴリ拡張したデータセットでの検出を確認

デモ(閲覧用、実際には実機のコンソール画面を見せました)

以下、スライド+デモ動画(Youtube)です。

普通のノートPCで「Prompt: 8049.1 t/s | Generation: 305.2 t/s」と爆速なことにもご注目下さい。

youtu.be

 

参考リンク

スライド(PDF)

drive.google.com

Githubページ

github.com

Hugging Face

huggingface.co

huggingface.co

Weights &Biases

wandb.ai

感想

国際的なハッカソンで(半分くらい海外の方)、ローカルLLMの可能性を実際に手を動かしながら感じることができて、とても楽しかったです。

自分はClaudeを2024年から課金して使っており、最近はCodexやGeminiにも手を出しているなどクラウドLLMをかなり重用しており、正直なところ、ハッカソン前は「ローカルLLMはまだ用途が限られるだろうな」と思っていました。

しかし、実際に触ってみると、想像以上に精度・速度ともに実用的な段階まで来ていると感じました。2008年ごろに電子機器の集積技術の発達でPCからスマホへ主役が移っていったときのように、AIの実行環境もクラウド一辺倒から、ローカルやエッジを含めた使い分けに移っていく転換期に入り始めているのではないかと思いました。

もちろん、現状では何でもローカルLLMで置き換えられるわけではなく、特定用途向けの使い方が中心になりそうです。

ただ、特定用途向けにファインチューニングされた複数の小型LLMが、それぞれの役割を持って協調して使われる未来は、かなり近いのではないかと感じます。

クラウドLLMの料金が高くなっている昨今(2026年6月のGitHub Copilot料金改定など)巨大LLMにすべて投げるのではなく、用途によってはローカルLLMを容易かつ安価にホストする事例が増えていきそうです。

 

また、チームメンバーのプレゼンのおかげもあり、最終的に Audience賞 をいただくことができました!

(個人的な話をすると、10年ほど一緒に活動している後輩くんのプレゼンスキルが圧倒的に成長していて、それがかなり嬉しかったです。笑いも取っててすごい👏👏

最後までデモ向け環境をデバッグしてくれたメンバにも大感謝です!一緒に出てくれてありがとう~🫰

戦利品の手さげバッグ、Tシャツ、ANKER充電器👏!

いつか宇宙や人工衛星でLLM動かしたいな~

Liquid AIハッカソンの過去開催/作品メモ

Liquid AIとは、現在の生成AI(ChatGPTなど)の標準技術である「Transformer」とは全く異なる、「LFM(Liquid Foundation Models)」という独自の超省エネ・超高速なAIアーキテクチャを開発している大注目の企業です。

2025年からハッカソンを何度か開催しているみたいで、その記録とどんな作品が出たか追える範囲でまとめてみました。

モデル一覧

🚀 Liquid AI ハッカソン 開催実績

回数(ナンバリング) 開催時期 主なテーマ・特徴
HACK #01 2025年8月

「TAKE BACK CONTROL(オンデバイス言語モデル)」


初代ハッカソン。SLM(小型言語モデル)のLFM2と、デプロイ用プラットフォームLEAPを使い、iOSやAndroidのアプリにローカルLLMを直接組み込む超高速・プライベートなアプリ開発を競いました。

HACK #02 2025年9月

「LFMs WITH EYES(エッジでの視覚認識)」


マルチモーダル(視覚)モデルであるLFM2-VLをメインに据え、クラウドを介さずデバイス側(iOS/Androidアプリ)でリアルタイムに画像を認識・処理するソリューションの開発。

HACK #03 2025年10月

「SMALL MODELS + BIG IDEAS IN TOKYO」


初の東京・対面開催(Weights & Biases、Lambda AIと共同)の回です。超小型モデル(Liquid Nanos)を日本のローカルな実課題にハックしました。

HACK #04 2025年11月

「BUILD THE FUTURE OF EARTH OBSERVATION(宇宙・衛星データ)」


DPhi Spaceとの共同開催による、4週間のオンラインハッカソン。宇宙空間の人工衛星に積載されたNVIDIA GPUなどの計算リソース(オンスペース・コンピューティング)を想定し、ライブの衛星画像・データとLiquidのVision-Language Modelを掛け合わせる壮大なテーマでした。

HACK #06

2026年6月


(直近)

「Hack the Liquid WAY(最新マルチモーダル&音声)」


東京でオフライン開催(WAY Equity Partners、AMDと共同)。最新のLFM2.5シリーズや、リリースされたばかりの日本語音声特化モデル**LFM2.5-Audio-JP**をフルに活用。AMDのRyzen AI PC(NPU搭載ノートPC)上での動作をターゲットにしたハッカソンです。

💡 回を重ねるごとの進化

ハッカソンの歩みを見ると、Liquid AIの技術スタックの進化がそのまま反映されているのが分かります。

  1. テキスト(HACK #01):スマホ単体で動く高速なローカルAIエージェント

  2. ビジョン(HACK #02 / #04):カメラ映像や衛星画像(リモートセンシング)をローカルで即座に解析するAI

  3. 音声(HACK #06):日本語音声モデル(Audio-JP)を用い、ネットの繋がらない環境や車載スマートコックピットで低遅延な音声対話を行うAI

このように、彼らは「クラウドを介さない、超軽量・低遅延、プライバシー重視のAI」という軸をブラさずに、適用できる五感(テキスト、目、耳)を毎回のハッカソンで拡張しています。

ハッカソン作品

👁️ HACK #02「LFMs with Eyes」入賞作品一覧

🥇 1st Place(第1位):On-Device Vision Control

  • 開発者: Joseph Pollack

  • 作品概要: 音声や視線(Gaze)の入力だけで、あらゆるAndroidアプリを完全にハンズフリー操作できるシステム。クラウドを一切介さず、スマホのローカル環境だけで処理を行うため、遅延が全くない(No lag)驚異的なレスポンスを実現しています。

  • 開発者による詳細解説: Joseph Pollack氏によるLinkedIn投稿

  • 開発者: Angelo Cortez

  • 作品概要: 「家」や「商品」を探す際、従来の文字フィルター(価格や間取りなど)ではなく、ユーザーの抽象的な「好みやセンス」をAIが画像から理解し、それに合致する物件やアイテムを探し出すマルチモーダル検索システム。

🥉 3rd Place(第3位):Video-Diff

  • 開発者: Peter Scholz

  • 作品概要: 長時間の生ビデオ(Raw video)を、マルチモーダルモデルの力で一瞬にして解析するアプリ。映像内の変化や重要な視覚的インサイトを自動で抽出し、ダイジェスト化して提供します。

 

📍 HACK #03:東京対面開催(2025年10月開催)

↓動画のまとめがありました。

www.linkedin.com

1. SafeGuide(セーフガイド)

  • 概要: 災害時などのオフライン(通信断絶)環境でも、デバイス単体でローカルに動作し、信頼性の高い防災ガイダンスを提供するAIアプリケーション。開発者自身の被災経験をもとに作られました。

  • 受賞・実績: ゴールド賞(第1位相当)

  • 詳細リンク: 日本通信株式会社 ニュースリリース

    • 日本通信のAIエンジニアチームによる、エッジAIの強みを最も体現した防災アプリとしての受賞詳細が掲載されています。

2. Dialognosis(ダイアログノシス)

  • 概要: 高齢者の日常的な雑談や脳トレの音声データから、認知症の初期サインやリスクを早期検知するAIエージェント。軽量モデル「LFM2-1.2B」をベースに4,000件以上の会話データをファインチューニングし、雑談・スコアリング・初期認知症徴候のレポート生成をエッジ環境の1モデルで同時に処理することに成功しています。

  • 受賞・実績: Special Award(第3位)

  • 詳細リンク: CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)金融NEXT企画部 AI推進課 ブログ

    • プロトタイプのUI/UX設計イメージや、2日間のハッカソンでどのようにファインチューニングと評価を行ったか、詳細な技術レポートが読めます。

3. 医療文書マスキングAI

  • 概要: 医療文書に含まれる患者の個人情報を自動で検出し、ローカル環境で安全にマスキング(匿名化)処理を行うアプリケーション。医療現場のプライバシー保護と業務効率化を両立する実用性の高さが評価されました。

  • 受賞・実績: 第3位

  • 詳細リンク: 株式会社デジロウ プレスリリース

    • デジロウ社代表による受賞報告。同社はこの成果をもとに、2026年春より医療現場での共同開発テスト運用を開始しています。

4. Evaluating and improving LFM2's JA-EN Translation Quality(MT-Plus)

  • 概要: 既存の日本語評価ベンチマーク(llm-jp-evalなど)が落としがちな「敬語・ニュアンス・主語の省略」といった日本固有の言語的特徴を正しく測る、独自の翻訳評価システム「MT-Plus」の構築プロジェクト。これを用いて「LFM2-305M」など超小型モデルの翻訳品質向上にアプローチしました。

  • 実績: OSSコミュニティによるハッカソン開発実装例

  • 詳細リンク: lhl / liquid-ai-hackathon-tokyo (GitHub)

    • 実際の検証ソースコード、評価スキーマ、プロトタイプダッシュボードの構成などが公開されている開発リポジトリです。

💡 リンクから見える評価のポイント

各チームのレポートを紐解くと、以下のポイントが審査で高く評価される傾向にあります。

  1. 「なぜLFM(オンデバイス)なのか」の明確さ

    • 災害時(SafeGuide)や、極めて厳重なプライバシーが求められる医療現場(マスキングAI)など、「クラウドにデータを送れない、頼れない環境」という必然性があること。

  2. 限られた時間でのファインチューニング(FT)

    • 2日間という短い制約の中で、ドメイン特化のデータセットを使いこなし、小型モデルを特定の専門タスクに適応させていること。

 

📍 Hack the Edge(サンフランシスコ対面開催 / AMD共同開催)

AMDのNPU搭載ミニPC「Ryzen AI」とLiquidの高速な推論スタック(LEAP、ROCm、llama.cpp)を組み合わせ、クラウドを一切使わない「完全オンデバイス」の限界を競った回です。

順位・賞 作品名 概要 詳細リンク

上位入賞


(Framework Laptop獲得)

VoltX EV(電気自動車)のバッテリーの健康状態(SOC/SOH)や劣化シグナル、パフォーマンスをローカルの軽量モデル(LFM2-350M)で常時トラッキング・可視化し、プライベートな診断アドバイスを出す車載・エッジ向けモニター。 AMD Developer 技術記事(英語)

上位入賞


(Framework Laptop獲得)

GrocerDaddy 超小型マルチモーダルモデル(LFM2-VL-450M)を活用。店舗の棚のカメラ映像から、商品が追加・撤去された瞬間をオンデバイスでリアルタイムに検知し、小売りの棚管理を自動化する実用システム。 AMD Developer 技術記事(英語)
第3位 Echo Finder ウェアラブルカメラとLFMマルチモーダルモデルを連携。部屋の中で「鍵」や「財布」をどこに置いたかをAIが記憶し、視覚・音声(LFM2-Audio)のローカル推論で探し出してくれる、高齢者や視覚障害者向けのライフアシストアプリ。 Liquid AI 公式ブログ(英語)

特別賞


(Honorable Mention)

Liquid DJ ネットに繋がっていないAMD端末をそのまま「ローカル版Shazam」にするシステム。LFM2-Audio-1.5Bを使い、長時間のDJセットから曲の繋ぎ目や選曲を検知し、YouTubeのトラックリストを自動生成する。 Liquid AI 公式ブログ(英語)

特別賞


(Honorable Mention)

Liquid AudioBook スキャンした書籍やノートの画像からLFM2-VLでテキストを抽出し、LFM2-Extractで補正、LFM2-Audioで自然な音声に変換する「クラウド不要の即席オーディオブック生成パイプライン」。 Liquid AI 公式ブログ(英語)

技術書典20に本を執筆して出展したので、売り上げや執筆過程を公開します!

技術書典20に

「世界を支えるOSSを知る!~GSoC2026参加OSS184機関をざっと解説~」

という本を書いて出展しました。

以下、執筆+出展の体験記です。

techbookfest.org

お詫び

1つタイトル詐欺がありました。

今回執筆した本は0円で配布したので、売り上げは0円です。お金の話が好きな皆さまにはお詫び申し上げます。!

技術書典とは?

技術書典は、新しい技術に出会えるお祭りです。技術書を中心とした様々な本を頒布する同人誌即売会です。 エンジニア・デザイナー・研究者・学生が、自分の知見を「本」という形で共有する場となっています。(公式引用)

「技術版コミケ」と思っていただければOKかなと思います。

2016年から開催されており、今回は20回目の開催でした。

(近年は年に2回、5月と11月頃に開催されています。

オフラインでの物理本販売だけでなく、オンライン開催も並行されており、PDF形式で気軽に本を出したり購入できるのが特徴です。

前回の技術書展19ではオンラインで1万人ほど、オフラインでは3000人ほどの参加者がいたみたいです。

https://techbookfest.org/assets/tbf19/for-sponsors.pdf


出展しようと思ったきっかけ

もともと、周りのエンジニア仲間が続々と技術書典に本を出していて、ずっと気にはなっていました。そんな中、昨年会社の勉強会にて「プロになるためのWeb技術入門」作者の方が来て下さる機会があり、

「自分も著書を出してみたいです、先ずは技術書典に出してみたいと思っています」

と相談(宣言?)したところ、背中を押してもらいました。

一度宣言してしまったので、「やらないとな」という気持ちが強くなり、出展を決意しました。

(おすすめの本です!)

スケジュール/執筆過程

テーマ検討(4/1~4/2)

頭の片隅で1日考え、翌日仕事後に取り掛かった後、10分ほどで決めました。

脳内で考えていた思考の流れとしては、

・時間制限があるので追加調査無くざっと書けるテーマにする

(出来たら生成AIでプロンプト指定したら機械的に書ける設計にしたい)

・自分がちょっと詳しいドメイン知識を持っていること

・ちょうど4/1までGoogle Summer of Codeのプロポーサルを書くにあたり、OSS機関を調べていた。紹介したい!

・OSSを扱う仕事をキャリアにしていきたく、実績にしたい

ということで、テーマは、

GSoCに参加しているOSSを一覧化してざっと解説する

というものにしました。

Google Summer of Codeに応募する過程で、本当に多くのOSSが存在することを知り、かなり衝撃を受けまして、

  • こんなに世界中でOSSが作られているのか
  • しかもそれぞれに思想やコミュニティがある

この「知る楽しさ」をそのまま人に伝えたいと思ったのが一番の動機です。

note.com

(hyakuさんのこの記事にも影響受けました。)

環境構築(4/2~4/3)

最初は友人からおすすめを受け、「Re:VIEW」というツールを使おうとして立ち上げていました。

github.com

ただ、Re:VIEW独自のお作法を把握する時間が惜しく、最初はepub形式で配布するものだと思っていたのですが、実際にはPDF配布してる書籍ばかりだったこともあり、慣れ親しんだMarkdown→(ちょこっとGoogleドキュメント調整)→PDFという変換/出力することにしました。

執筆(4/5~4/6)

こんな流れで作っています。

  1. Markdownで下書き
  2. Googleドキュメントに貼り付け
  3. レイアウト調整してPDF化

工夫した点としては、いきなりMarkdownに本の内容を書かせるのではなく、

  1. 184機関一覧名を取得しjson格納
  2. 全ての機関に対し情報収集し調査メモ.mdを作成(=184個)
  3. 調査メモを基に本向けに、1ページ2機関の量に収める記述量になるよう記述

といった段階を設けました。

主にClaude Codeを使い、以下のようなプロンプトをベースにしました。

「GSoCのページに掲載されているOSS機関について、
アイコン画像・ホスティング先・リポジトリ・Githubスター数・概要・読者像を取得し、
1ページに2機関ずつまとめてください」

これを何度か微調整しながら、一気に書かせています。

また、Claude実行と並行して、前書き、後書きなど重要な個所は自分で執筆しました。

以下リポジトリに収集データ、調査メモ、原稿全て格納してあるので、もし関心があればご確認下さい!

github.com

表紙と背表紙作り(4/7)

表紙も生成AIで作りました。

色々試しましたが、最終的にはハッカソンでも重用しているBing AIが一番しっくりきました。最初はかなり迷走していて、「かっこいい系」を狙うと全部ギラギラして失敗。

(これもダメではないけど、温かみと可愛さがほしい。。!生成AI感は避けたい。)

最終的に、

絵本っぽい世界観

をプロンプト指定したことで一気に良くなりました。

(温かみがあり、キツネ(僕)が各OSSの動物と仲良しになろうとしてる感じが表現できている!!

最終的なプロンプトはこんな感じです。

  • きつねが動物たちに話しかけようとしている
    • まだ話しかけられてはいない
  • 絵本のような世界観。シンプルな色鉛筆で描いたような2D表現。
  • 登場動物:ヘビ(青・黄)、ゾウ、アザラシ、ペンギン、アマツバメ、龍

生成後に、各動物に対応するOSS名を手作業で追加。

かなりかわいく仕上がって満足しています。

www.bing.com

技術書典マーケットへの登録(4/8)

最後に、技術書典マーケットに登録し、審査を受けて公開となりました。

(審査には1~2日かかります。

本の紹介文を以下のように書きました。

本書は、Google Summer of Code (GSoC) 2026 に採択された184のOpen Source Software(OSS)参加機関をアルファベット順に掲載し、世界的なOSSコミュニティの広がりを日本語で素早く俯瞰するためのガイドブックです。 生成AIによって誰もが容易にコードを実装できるようになった今、エンジニアにとっての価値は、既存のOSSをいかに適切に組み合わせ、活用していくかという「選定眼」に移りつつあります。本書を通して、世の中にある多様なOSSの選択肢を知ることが、新しいサービスやシステムを構築する際の確かなヒントになれば幸いです。

最終的に、実作業は15時間くらいでしょうか。


反響

ダウンロードされるたびにメールが来るのですが、これが地味に嬉しいです。

最終的に4/21(火)現在、約80ダウンロードされました。

また、勉強会に行ったときに

「自分も技術書典に出したんですよ」

と話すと、そこから会話が広がることが多く、交流や関心領域の開示として良い材料になりました。


やってみた感想

正直なところ、

「本を書いた」というよりは
「和訳付きOSS一覧図鑑を作った」

という感覚に近いです。

クオリティもまだまだ改善の余地があります。執筆にかけた時間も少なく比例してクオリティは低い自覚はあります。英語読めれば公式サイト見れば良いし、意義も薄かったなと。

それでも、

  • 最後まで出し切った経験
  • アウトプットを形にした実績

この2つはかなり大きかったです。

また、自分が今後やっていきたい

OSSに関わる戦略・理解

という方向性を、ちゃんと形として残せたのも良かったと思っています。


今後

今回で心理的なかなりハードルが下がったので、今後も継続的に本を書いていきたいです。技術書典を通して、少しずつでも技術コミュニティに貢献していければと思います!

「自分も本を出してみたいけどハードルが高そう」「中々踏み出せない」と思っている方がいれば、ぜひお気軽に声がけしてもらえると幸いです。

いつかどこかで、いっしょに本を出したいですね!📚

やっぱり動物たちがかわかわ。

「伝わるプロポーザルの書き方 〜採択側・人気登壇者が明かすCfPの構造〜」というイベントに参加しました!

Findyさん主催の

「伝わるプロポーザルの書き方 〜採択側・人気登壇者が明かすCfPの構造〜」

というイベントに参加してきました!

以下参加メモです。

https://findy.connpass.com/event/388162/

(結構Twitter(X)で呟いている方もいるので、是非参照してください✊)

ハッシュタグ :#cfp_findy

https://x.com/hashtag/cfp_findy?src=hashtag_click&f=live

どんなイベント? / プロポーザル(CfP)ってなに?

主要なITエンジニア向けイベントに登壇する際には、
自分の発表内容をまとめて提出し、審査を受ける必要があります。

この提出する要旨のことを、CfP(Call for Proposals)と呼びます。

※論文を書いたことがある人は、トップカンファレンスに論文投稿する際の要旨を思っていただければOKです。

近年は登壇希望者が増加しており、採択の難易度も上がっています。
例えば:

といった倍率になっています。

登壇することで、

  • 自身の知見の発信
  • 会社のブランディング
  • 他の講演を無料で聴講できる

といったメリットもあるため、応募者が増えている背景があります。

本イベントは、
こうした高倍率のCfPを突破するために

👉 どのようにプロポーザルを書けば採択されるのか

そのコツや考え方を共有する内容でした。


参考:主要イベントまとめ。

docs.google.com

 

参加した動機

もともとSWイベント/カンファレンスの運営はいくつか携わっていて、

(SRE Next、Open Source Summit Japan、WBA若手の会、Sechack365など)

次は登壇者側としての経験を積んでいきたいと思っていました。

今年に入り、初めてカンファレンスにCfPを応募したのですが、そのタイミングで本イベントを知り「採択されるコツや技術、傾向を知りたい」「論文を書く時との違い、技術カンファレンス向けの暗黙知があるかを把握したい」と思い参加しました。

 

講演一覧

①『セグメントとターゲットを意識するプロポーザルの書き方
〜採択の鍵は、誰に刺すかを見極めるマーケティング戦略にある〜』

めもりーさん @m3m0r7
スタートアップ / CTO

speakerdeck.com

CfPはマーケティングである、という前提が印象的。

  • カンファレンスごとに参加者層は異なる
    • ビギナー / ミドル / プロフェッショナル
  • 「誰に刺すか」を明確にすることが重要

また、評価されやすいテーマとして:

  • 流通が少なく需要がある話
  • 自社・チーム独自の取り組み

→「他では聞けない話」が強い

②『話せることがない」を乗り越える 〜日常業務から登壇テーマをつくる思考法〜』

三谷 昌平さん @shohei1913
株式会社スマートバンク エンジニアリングマネージャー

speakerdeck.com

登壇に対するハードルを下げる内容。

NG

  • 登壇者=すごい人という思い込み
  • 面白さを自分で判断する
  • 感情をそのまま語る

OK

  • 日常業務の話(暗黙知)が価値
  • 技術解説に抽象化
  • 情報をまとめてベストプラクティス化

→「まとめるだけで価値になる」という視点が重要。

また、「段取り八分」という言葉からも、準備の重要性が強調されていた。

speakerdeck.com

 

③『聞き手の目線で考えるプロポーザル』

Takepepe さん@takepepe
株式会社 REUNION SOFTWARE Webフロントエンドエンジニア

speakerdeck.com

参加者が求めているもの:

  • 最新技術のキャッチアップ
  • コミュニティとのつながり
  • 共通テーマでの議論

そのために必要なのは、

成果物が設計されていること

ポイント

  • トレンド(直近2年)+公益性
  • 実体験ベースの知見
  • 少しの主観でフックを作る

タイトル設計

「○○で△△を解決した話」のような構造が有効

概要はタイトルの繰り返しではなく、深掘りになっていることが重要。

④『プロポーザル サポートガイドを読み解いていこう!』

しょっさん @syossan27
株式会社MIXI / 何でも屋さん

speakerdeck.com

カンファレンスごとの「文脈」を読む重要性について。

例:

  • DroidKaigi
  • builderscon
  • CloudNative Days

それぞれにテーマや重視ポイントがあるため、

  • テーマに寄せる
  • ガイドをしっかり読む

ことが重要。

また、ITカンファレンスは増加しており、

  • 2024年:108 → 2026年:138

→ 登壇のチャンス自体は増えている。挑戦していこう!

blog.unasuke.com

SRE Kaigi 2026 プロポーザル サポートガイドSRE Kaigi 2026 プロポーザル サポートガイド

https://srekaigi.notion.site/SRE-Kaigi-2026-2946f7392c1080e58f10d10864f671a3?pvs=143

⑤『非エンジニア職からZOZOへ──登壇がキャリアの突破口になった話』

池上 寛登さん @penpeenpen
株式会社ZOZO / サーバーサイドエンジニア

speakerdeck.com

登壇がキャリアの突破口になった話。実体験ベースのセッション。

  • 「とりあえずCfP出してみたら?」という文化
  • 採択理由は「熱量」
  • 転職にもつながる

→ 登壇はキャリアに影響を与える行動!

GMOぺパポ社の登壇を促進する文化が凄い

tech.pepabo.com

⑥『ふだんのアウトプットから繋げるプロポーザル(仮)』

nikkie (にっきー) さん@ftnext
株式会社ユーザベース / 機械学習エンジニア

ftnext.github.io

ふだんのアウトプットから繋げるプロポーザル

  • 日々のアウトプット(例:毎日記事)を積み上げる
  • それをプロポーサルに転用する

印象的だった言葉:

準備ができている人間にしか機会は来ない

daiksy.hatenablog.jp

一方で、

  • プロポーサルのためにネタを作ることには懐疑的

→「自然なアウトプットの延長」が理想

感想

講演の内容はもちろん、イベントの空気感(知見を惜しみなく、遠慮なく共有し合おう!)も懇談会での会話も含めて大変楽しく学びなイベントでした!

「Twitter(X)でのハッシュタグ投稿が盛んなイベントは良い体験なことが多い」というあるあるを改めて感じました。

個人の学びとしては

  • 本日登壇された方も、何度も出して落選を経験している
  • 採択はそんなに遠い世界ではない。挑戦してみよう!

というマインド形成が出来たことが大きかったです。

また、論文を書く時に意識したことがそのまま使えるな、と実感を持て自信になりました。ロジック構造的な話はもちろん、過去採択例をすべて見たという話は、論文書く時も当たり前だったので納得でした。

 

懇談会で「次合うときはお互い登壇者で!」と約束してしまったので、頑張ってCfP書いていきたいと思います!

(ちなみに僕は、2026年10月にCommunity Over Code Glasgow 2026というApache Software Foundation主催のカンファレンスに採択されました!10月にイギリスでNuttXにWireGuardを組み込む話を発表してきます✌

(実費になりそうで、助成金を探しております

communityovercode.org

 

開催して下さったFindyさん、素敵なオフィス+運営ありがとうございまいした!

おしゃれなオフィス入り口

経営理念とビジョン

 

余談:自分のおすすめ本

「理科系の作文技術」

少し古いですが、アカデミックの世界で論文を書く時にかなりの人が進められる本です。執筆技術やロジックの書き方など、共通する要素が多いと感じました。

 

「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」

これもアカデミックの世界で、近年進められている本です。

先ずは作者のさんのブログをみて、興味を持ったらおすすめです。

僕はハンターハンターの念に例えて、

「(トップジャーナルに採択されるロジックが)まだ何も見えないでしょ?見えるようになったらおいで」という表現が凄くしっくり来てわくわくしました。

abc-kd.hatenablog.com

ザ・コピーライティング-心の琴線にふれる言葉の法則

やや世俗的な本ですが、

  • 相手(読み手)に何をもたらすのか(利益、ベネフィット)を第一に伝える
  • ほとんどの広告では、見出しが1番重要。
  • 中身のない短い見出しより、何かをきちんと伝えている長い見出しのほうが効果的

など、人に伝えるための法則や言葉の練り方を、アメリカ広告業界の父と言われるジョン・ケープルズさんが実体験に基づいて書いた本です。

二級小型船舶操縦士を取得しました!(10万円、1日実技+試験コース)

2級小型船舶操縦士の免許を取得しました!

以下、体験談です。



① 小型船舶免許とは(初心者向け)

小型船舶免許とは、ボートやヨットなどの小型船を操縦するための国家資格です。

正式には「小型船舶操縦士免許」と呼ばれ、いくつか種類がありますが、今回取得したのは2級です。

できること

  • モーターボートの操縦
  • 海でのクルージング
  • 海釣り(自分で船を出せる)
  • 家族や友人を乗せて移動

2級免許の特徴

  • 沿岸から5海里(約9km)まで航行可能
  • 初心者向けで取得しやすい
  • 最短1日〜数日で取得可能

→普通自動車免許の「船版」みたいなイメージです。


② なぜ取得しようと思ったのか

きっかけは、去年参加したハッカソンでした。

チームの中に小型船舶免許の保持者が3人ほどいて
そのうち1人は同じチームメンバー。

「意外と身近に、普通に持っている人がいるんだな」とそこで初めて興味を持ちました。もともと自分は、

  • ハンググライダー経験あり
  • ダイビングに興味あり
  • パイロットにも関心あり

といったように、自然を相手にするアクティビティが好きなタイプです。

調べてみると、

  • 最短1日で取得可能
  • 費用は約10万円

と、想像以上にハードルが低い。

さらに、

  • 宇宙飛行士試験に向けた経験として、船長としての意思決定経験を積みたい
  • 日本は海洋大国で環境が整っている
    • 近場の品川・羽田・横浜などすぐ海に出られる
  • 友人が海釣りしたいと言っており、自分もしたい
  • お寿司が好き(←地味に重要)
  • 尊敬する嵐の大野くんが取得している(これは余談)
  • 海賊王を目指すには船くらい操縦できないと(これは完全に余談)

→動機もあり、1日で出来るなら悩む要素は金銭面だけ。だったら挑戦しよう!と決心しました。


③ 実際のスケジュール

1/20:申し込み

ネットで申し込み。思ったよりあっさり。

ピアノでお世話になっていることもあり、YAMAHAさんで取得することにしました。

(1日で取得できること、講習→試験が1日で終わること、立地で選定。

www.yamaha-motor.co.jp


2/7〜2/8:オンライン学習(約4時間)

eラーニング形式で事前学習。ボタンをポチポチ

ただしここは正直…かなり甘く見ていました

  • 流し見レベル
  • ロープワーク未練習

※本来はもっとしっかりやるべきです。後述しますがぎりぎり合格になりました。


2/9:試験当日

午前(8:30〜13:00):実技講習

受講生2人+教官という組み合わせで実施。

  • 操縦練習
    • 機器の確認
    • 出航/帰港のやり方
    • 速度の出し方
    • 安全確認の習慣化
    • 曲がる際の作法
    • 船や漁船が来た場合の回避方法
    • S字走行の習得
    • 人命救助の方法
  • ロープワーク
    • 7つの結び方

午後(13:00〜16:00):試験

  • 身体検査
    • 視力:矯正視力両眼とも0.5以上であること。
    • 色覚:夜間において船舶の灯火の色を識別できること
    • 張力:5メートル以上の距離で話声語(普通の大きさの声音)の弁別ができること
  • 実技試験
    • 受講生3人+教官で船に乗り、午前の内容を試験。
  • 学科試験
    • マークシート50問で33問以上正答かつ3科目それぞれで50%以上正答で合格

2/12:合格発表

無事合格(ギリギリ)。33問/50問の正答でした。


④ 正直な感想(ここが一番大事)

■ 自動車学校のノリで来てはいけない

完全にこれです。

自分は、

  • ロープワーク未習得
  • 知識あやふや

という状態で行った結果…

講師に言われた一言:

「それじゃ受からないよ〜」

結果、

  • 学科:33/50(ギリ合格)
  • 1点でも落としてたら不合格

👉 普通に危なかったです


■ 実技も「なんとなく合格」

  • ロープ結べない
  • 操作も完璧ではない

ただし言われたのは:

👉 「とにかく安全確認」

ここを意識したことで何とか通った感覚。

正直、

👉 お情け合格感はある


■ 船の操縦は「簡単だけど奥が深い」

基本操作はそこまで難しくないです。

  • 車の運転経験があれば理解しやすい
  • ルールもシンプル(右側通行/回避など)

ただし…

  • 潮の流れ
  • 周囲の船
  • 緊急対応(人命救助など)

👉 一気に難易度が跳ね上がる

自然相手なので、

👉 毎秒判断が求められる世界

これはかなり面白かったです。


⑤ 思ったこと:免許を取って終わりじゃない

ここが一番感じたことです。

  • 免許保持者:約200万人
  • 年間事故:約2000件

1日6件ほど事故が発生している計算になり、普通に危ない世界です。

(2026年は特に、同志社国際高校の生徒が無くなる事故がありましたね、、

ja.wikipedia.org

免許を取っただけでは権利を手にした初心者に過ぎず、正直この状態で海に出るのはだいぶ怖いと感じました。「同じような悩みを持った人は多いと思うし、技術で何か解決できたら良いなあ」と思い、

  • 初心者向け
  • 安全確認支援/チェック
  • 操縦トレーニング

などを支援するアプリケーションを少し検討しました。

ShipGuard

github.com


未踏アドバンスドなどで開発しながら、
実際に操縦経験も積めたら嬉しいなという下心もあります(小声)


⑦ まとめ

  • 小型船舶免許は短期間で取得可能
  • でもナメると普通に落ちる
  • 海の世界は思ったよりシビア

👉 でもとても面白いかったです!


⑧ おわりに(呼びかけ)

船の操縦に付き合ってくれる方、
一緒に海に出てくれる方がいたらぜひ声かけてください!海を楽しみましょう。

 

 

 

Unitree G1(250万円するヒューマノイドロボット)ハッカソンに参加しました!

Unitree G1を動かすハッカソンに参加してきました!

2024年に中国Unitree Robotics社が発表した、約1万6000ドル(約250万円)の最新ヒューマノイドロボットに触れる貴重な機会でした。

以下、体験記です。

https://robotmatehub-hack01.peatix.com/

 

どんなハッカソン?Unitree G1とは。

🎉 日本初※のUnitree G1ハッカソン!
※主催者調べ

Physical AIが注目される今、本ハッカソンは Unitree社の最新ヒューマノイドロボット「G1」を使用し、
「人とロボットの共生社会」をテーマにアイデアを形にする2日間のイベントです。

エンジニアだけでなく、デザイナー、プランナー、学生、研究者など
多様なバックグラウンドを持つ方々が混成チームを組み、
「こんなロボットと暮らしたい」という未来を一緒にデザインします。

✨ 実機を使った開発体験
✨ 一流審査員からのフィードバック
✨ 各賞の授与
✨ 同じ志を持つ仲間との出会い
✨ 全員に修了証を発行予定!(ポートフォリオ・就活にも活用可)

ということで、Unitree G1が触れることが大きな特徴のハッカソンでした。

何がどこまで出来るか知りたい方は、2026年2月に開催されたカンフーパフォーマンスの動画を見るのがおすすめです。

youtu.be

この速度感で滑らかに動いているもの凄いですし、特に複数台協調して自律動作しているらしく衝撃でした。

公式サイト+日本代理店は以下みたいです。

techshare.co.jp

www.unitree.com

参加経緯

過去一緒にハッカソンに参加した友人がSlackで共有してくれて知り、

  • お家(比較的)近い
  • 250万円のヒューマノイドロボットを実際に触れる!
  • 大学/大学院時代にロボティクスを専攻していて、もともと分野に関心あり
    • ロボコンも少し出ていた
  • 会社でヒューマノイドロボット部門が出来たこともあり、何か持ち帰れるものがないかキャッチアップしたい
    • エッジAI/組み込みシステムのエンジニアとしてお仕事しており、どこかで繋がりそう
  • 界隈の知り合いに会えそう

といった背景あり参加しました。

スケジュール

1日目

19:00~22:00にオンラインで集まり、環境構築/チームビルディング/アイディア検討を行いました。

以下のPythonSDKをWSL(Ubuntu)上に構築しました。

github.com

シミュレータの方はインストールしたけど、起動後すぐ落ちる(?)問題が発生しました。

github.com

2日目

藤沢のロボット企業交流リンクに集まり、実機を使ったハッカソンを行いました。

www.pref.kanagawa.jp

09:30〜10:00

受付・会場案内

10:00〜10:30

開会式・ロボリンク紹介・審査員紹介

10:30〜11:00

シーンカードワークショップ

11:00〜12:00

開発セッション1(実機ローテーション)

12:00〜12:30

中間チェック・PMO巡回

12:30〜13:45

ランチセッション・ネットワーキング

13:45〜15:00

開発セッション2(実機ローテーション)

15:00〜15:30

中間発表会

15:30〜16:00

プレゼン準備

16:00〜17:15

ローテーション発表(実機デモ+プレゼン)

17:15〜17:30

Audience Choice投票・審査

17:30〜18:00

表彰式

18:00〜18:30

記念撮影・クロージング

18:45〜19:45

懇親会(任意参加)

 

やったこと/開発したもの

スライド、Githubは以下になります。

wwlapaki310.github.io

github.com

スライドにのっていない実機デモとして

  • ローカルで感情認識+音声デモ(librosa+Ollama+Whisper+VOICEBOX)
  • Unitree g1で一本締めモーション(Text2Speachで音声+Clap拍手の動作)

を行いました。

 

今回は4人チームで、自分はロボット操作/モーション作成の担当をしました。

(早めにUnitree G1 SDKのセットアップを終えてSDKのコードを読めていた、

事前検討としてモーション作成について調べていたことで担当させてもらいました。

 

デモまでは出来なかったのですが、特に得だしでアピールしたいのは

人のモーション動画→Unitree g1を動かすモーション(csv)生成、シミュレーション動画生成するJupyterNotebookの開発(Colaboratoryで皆が手元で動かせるようにした)

という点です。

 

もともと「ハレ晴レユカイ」をUnitree G1と一緒に踊ってバズらせたいと思っていたのですが、シミュレーションと実機動作に乖離あり、危険ということで断念しました。

 

シミュレーション

youtu.be

現実

youtube.com

 

技術的な内容は以下を参考にしました。

(単に骨格推定するだけでなく、逆運動学的な制約も加味した出力にする、というのが素晴らしいライブラリでした。Nvidiaすごい。

YouTube踊ってみた動画(mp4)
    ↓  GEM-X(単眼動画 → SOMA 77関節の3Dポーズ推定)
SOMA スケルトン形式のモーションデータ(BVH)
    ↓  SOMA Retargeter(Newton + Warpで物理的に正しいIK変換)
Unitree G1 の関節データ(CSV, 29DOF)
    ↓  unitree_rl_gym(強化学習で物理的に実行可能に)
G1が実際にダンス

github.com

note.com

感想

久しぶりに実機ロボットを触れて楽しかったですが、「百聞は一見に如かず」の言葉通りでロボット開発の難しさを改めて感じました。

今回かなり実機操作に苦戦しており、

  • プレゼン1時間前までUnitree G1にコマンド送信が出来なかった
    • 他チームの方にFirewallを切ったらいけたと教えてもらい、解決
      • 手順書にもない内容でした、、
  • 当日使えるUnitree G1が古い/一部故障している/動作制約があるなどの理由で、想定していた動作が出来なかった
  • 3チームで1台のUnitree G1を使う状態で、実機を触れたのが1時間弱だった

という制約の中でのプレゼンとなり、悔しい気持ちもあります。

(実はUnitreeを操作できるアプリあり、これを使っていたチームもあったみたいです

www.unitree.com

 

昨今Physical AIが叫ばれていますが、今この時代に、トップニュースだけでなく実機の限界点や問題点を理解できたのは凄く良い経験でした。社会実装には熱や充電、使いまわし、UIなど様々な課題があることもわかりました。

また、同時に中華メーカーの開発力、Nvidiaのエコシステム構築力の凄さも実感できました。自分たちが何をするべきか考える必要を感じました。

 

実機を触る楽しい所を担当させてくれたチームには大変感謝です。

懇談会もロボットに情熱を持つ方々が集まっていたためか、次の可能性が広がるような会話が繰り広げられていて、とても楽しかったです。

どこかでハレ晴レユカイ踊れるようにしたいなあ。